英語とスペイン語で楽しむ講義 23
ノーベル文学賞作品を原語で楽しむ喜びは単に読むだけにとどまりません。ここからなのです。YouTube でイシグロ作品の分析が色々な方向からなされています。これらの分析を英語で紐解いてみるのもなかなか楽しいことです!
ちなみに次の動画はいかがでしょうか!Kazuo Ishiguro 氏の Never let me go の冒頭と最後の文章だけに関する分析です。
作品は My Name is Kathy H. I’m thirty one years old, and I’ve been a carer now for over eleven years. という文章で始まります。ですが、普通の My name is の自己紹介とは少し違いますね!Kathy は愛称ですね!Family name が H だけ!これも普通ではない。何故でしょうか?そうクローンにつけられている名前だからです。奇妙な自己紹介の一文で不思議な物語の世界に一瞬で引き込まれてしまいます。
あとは動画の中のコメントや分析で味わってください。
作品の最後は I just waited a bit, then turned back to the car, to drive off to wherever it was I was supposed to be. 物語は最初から最後まで第一人称で語りかけて first person narative いきます。 最初から最後まで同じ場所で一気に語られている物語なのです。
未来も希望もないクローンの世界!全てを受け入れ、諦める世界!ですが精神は成長し cathartic experiences 浄化されていきます。どれだけ過去を振り返り、記憶を辿ってみても何も解決が見出せないまま臓器提供の日は近づいてくる中、この物語は終わります。
読み終わるや更に疑問は膨らみます。未来も希望もない諦めの世界、いくら考え抜いてもなんら正解が見つけられない虚しい人生は何もクローンだけではなく我々の世界でも実は同じなのではないかと!しっかり人間らしく生きたい、生きようと思わせてくれる作品です。
You can 2020 はみなさんと一緒に東京オリンピックまでに世界とコミュニケーションが取れるバイリンガル国際人になることを目指します!誰にでもできます!可能です!必要なのは、自分でもやれそうかなと思い立つことだけ!