人間の感情は複雑です。人間の感情を表す時、スペイン語では接続法 subjuntivo スブフンティボがよく使われます。接続法とは頭の中で描いた思いを伝える表現方法であり、現実の事でなければ接続法と言われるくらいです。
従ってスペイン語の接続法は英語の仮定法 subjunctive よりも断然使用範囲が広いのです。英語の should と may、不定詞の用法が全て接続法になるからです。
「〜であればいいのに」とか「〜はどうか怪しい」というような願望や疑惑の動詞や形容詞が来るとその後には必ず接続法が現れます。例えば「彼は来ると思います」は彼が来ると思っている自分の存在は事実であり「彼が来る」の部分も当然直接法です。ところが「彼が来るとは思わない」となると、主節が「私が思わない」と否定されるや「彼が来る」こと自体が事実ではないこととなり接続法になるのです。極めて論理的ですね!これが実に面白いと思うのですが!
①Creo que viene. (I think he will come.)
②No creo que venga. (I don’t think he will come.)
では「彼は(絶対に)来ないと私は思う」ではどうでしょうか? 私が「絶対に来ない」と思っているのは事実ですから思っている内容が否定の事柄であっても直説法でいいのです。
③Creo que no viene. (I think he will not come.)
では「彼は(多分)来ないだろうと私は思う」であればどうでしょうか?私が思っているのは事実ですが、その内容に疑惑があれば、当然接続法になります。
④Creo que (tal vez) no venga. (I think he might not come.) * venga は接続法現在形です。
願望や疑惑が事実ではないというのはよくわかりますが、感情の場合が少し難しいかもしれません。次の例で理解していただければと思います。
「今日は君が来てくれて感謝するよ」という文ですが、「君が来た」のも「感謝している」自分も現実なのではと思うのですが、スペイン語では「君が来てくれて」嬉しい、感謝するという時には、接続法が用いられます。なぜなら「君は忙しい人間だからとても今日は来れるとは思っていなかったのに来てくれた、本当にありがとう」という非現実が現実になった気持ちが込められた表現になるのです。
⑤Estoy muy agradecido por que hayas venido hoy. (Thank you for coming today.) *hayas も接続法現在形です。
たとえ英語のように「来てくれてありがとう」という軽い気持ちであってもスペイン語では奥ゆかしく接続法がよく用いられます。スペイン語ってある意味日本的な言語だと思えてきませんか。
これ以上書くとこんがらがるかもしれませんので今日はこのくらいにしておきます。
You can 2020 はみなさんと一緒に東京オリンピックまでに世界とコミュニケーションが取れるバイリンガル国際人になることを目指します!誰にでもできます!可能です!必要なのは、やれそうかなと思い立つことだけ!